時代(その2)
今から30年程も前の話になるだろうか、私は師より次のようなお話を聞いたことがあります、丁度、国の政策で国民の所得倍増計画のなかで、景気のよいときであった。
今のように失業者で溢れることもなかった、物質文明の絶頂期であったかもしれない、大方の人は幸福とは、住むには家があり暮らすにはお金があり、欲しい物が手に入れば人々は幸福であると普通であれば誰もが思った時代である。
そんな時、師は今は物質文明も終焉にきている、この先は、いよいよ精神文明の開花する時代に入ってきている、と聞かされたものだ。ところがどうであろう、今は当にその時代に入っている、人間の精神の衰弱は様々な事件を生み出し、企業は唯、利益の追及のみに奔走し売れればよいとの商業主義は低劣な映像文化、愚劣な出版物を社会に垂れ流している。良書に至っては愛読する人は少なく、人々はスキャンダラスなものを好み、自分より優れた人を妬み陥れようと画策する、他人への干渉を拒むがゆえに人間同士の対話が無い、それが正しいことなのか、間違っていることか人々は判断の基準をもたない、ここまで、人間の精神が衰弱した時代も無いであろう、仏法で云う当に末法である。更に、人間精神の荒廃は人間同士の衝突へと突き進み地球上には絶え間ない戦争が今でも続いている、愚かな指導者に率いられた国民ほど哀れなものは無い、戦争が起こると決まって何の罪も無い女性や子供が犠牲になってしまう。
今こそ、人々は眼を凝らして文明を見つめなおさなければならない時がきていることを知るべきである、そうして、だれびとたりとも自らを人間革命をする以外に平和な地球に変えることが出来ないことを知るべきである。
師云く「一人の人間革命はやがて一国の宿命をも転換するであろう」と......
09年1月17日
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